ヒンデンブルグオーメン ~暴落の予兆といわれるが・・・~

ナスダック 日足チャート

マーケットに変化の兆しが出てくると、
「ヒンデンブルグオーメンが点灯した。暴落予兆だ!!」といって、紙面がざわつきます。

こういった派手なコメントは読者受けが良いですから、ニュースになりやすいのでしょう。
では、この「ヒンデンブルグオーメン」とは何なのでしょうか?
これは、株価予測のためのテクニカル分析指標で、このサインが発生すると1か月間は有効とされています。
そして、サインが発生した場合は、80%弱の確率で5%以上の下落が起きるとされています。
故に、市場関係者の間では、株価大暴落の前兆、証券市場における呪いの指標とも言われることもあるようです。

これだけ聞くと、サインが発生したとなると慌てる人が増えるかもしれませんので、どのようにサインが出るのかを見ていきましょう。
このサインが発生するには幾つかの条件があり、その条件を満たすと、ヒンデンブルグオーメンのサインが発生したとなります。

では詳細を見てみましょう。
・ニューヨーク証券取引所(NYSE)での52週高値更新銘柄と52週安値更新銘柄の数が共にその日の値上がり・値下がり銘柄合計数の2.8%以上であること。
・NYSE総合指数の値が50営業日前を上回っている
・短期的な騰勢を示すマクラレン・オシレーターの値がマイナスであること
・52週高値更新銘柄数が52週安値更新銘柄数の2倍を超えない

ここで出てきた「マクラレン・オシレーター」の計算方法は、
まず、Xを出して、(騰落銘柄数、X)=値上がり銘柄数-値下がり銘柄数
マクラレン・オシレーター=Xの19日EMA-Xの39日EMA
この数値がプラスだと上昇傾向、マイナスだと下降傾向と一般的には判断します。

つまり、株価が50営業日前を上回るには上昇していないといけませんので、
上昇しているときの相場の強弱が激しくなり、値下がり銘柄が増加してくると発生するサインであるということですね。

故に、マーケットの変化の兆しとして捉えることは大事ですが、
ヒンデンブルグオーメン発生=暴落すると決めつけるのはよくないことが分かりますね。

チャートを見ると、確かにサインが発生して下がってきていますが、
1000日EMA(200週EMAを日足に代用、大きな流れの大局の強気と弱気の分岐点)は維持しています。

ここからどう変化してくるのかに注目しながら、兆しが出てきているのは事実ですので、
大慌てするのではなく、冷静にマーケットの変化に対応していきましょう。
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